lip lift 人中短縮術

人中短縮で消失した鼻腔底隆起を治せるのか?
鼻唇の複雑な解剖の説明

山口憲昭

「鼻腔底隆起が消失してしまい、再建が可能かについてご相談したいです」

早速ちょっとプロ並みの質問なんですけど、鼻腔底隆起というのは、鼻ってここ鼻翼なんですけど、ここがちょっと盛り上がってるんですね、隆起ってこの内側のところを内側隆起、こっち(外側)のところを外側隆起っていうんですけど、ここの話。

鼻腔底隆起がなくなっちゃったよと、何故なくなっちゃったかというとこの人の場合は鼻柱からのアプローチによる人中短縮を行ったところ内側の鼻腔底隆起と鼻腔底全体を切除してしまいましたとそんな話聞いてなかったんですけど、こんなことになっちゃって、これ治せますか?というご質問なんです。

山口憲昭

ちょっと唇の解説でいきますと、唇って皆さんよくタトゥーとかでよくオーバーリップしたりとかあるんですけど、是非やめた方がいいよっていうのを解説しますと、ここら辺の構造って絵に描くとよく分かるんですけど、線でピッピッピと描いても綺麗な唇の形にならないんですね。
むっちゃ複雑な構造になってます

この鼻腔底隆起ってのいうは外側と内側が繋がっていて、これが鼻柱の基部ですね。
ここが人中陵といって少し膨らんでます。これは笑うと消えるんですね。
こっから下りてきましたここの部分、これは白唇といいます、白い唇「白唇」
ここに関しては赤い唇「赤唇」と言いますけども、白唇と赤唇の間、ここはさらに見えないんですけど薄っすらと膨らんでいるんです。

山口憲昭

ここはホワイトロールと言います。
ホワイトロールから赤唇の下、ここにはウエットリップとドライリップといって、乾いてる唇と濡れてる唇っていう皮膚と粘膜の境界線っていうのがあるんですよ。

なのでこの辺の構造ってむちゃくちゃ繊細なので、人中短縮とか口角挙上とか口唇の形成術とか、こういう手術をする時ってのはかなり繊細に手術をしないといけないし、なんだったら再建手術をする時は、一個一個こういう構造を見ながら手術のデザイン等を決めていかないといけないんですね。

山口憲昭

もう一回言うと、鼻腔底隆起、内側、外側、人中陵、人中窩、白唇、赤唇、ホワイトスキンロール、ドライリップ、ウエットリップ、こういう構造があります。

その上で、鼻腔底隆起の再建に関して、実はこれむちゃくちゃ難しいというか、それっぽいのは作れても神様が作った鼻腔底隆起を全くもって再建するというのはほぼ不可能なんですよ。

山口憲昭

なので切除をしてしまった場合は、鼻腔底隆起を何かまっ平らな組織の下に何かを入れて膨らませるってことはできるんですけど、本来の鼻腔底隆起とやはり構造が違ってくるというのがあります。

やはり不自然に見えてるはずなんですね、今元々鼻腔底隆起が高いパターンの人と低いパターンの人がいて、実は人中の短縮の手術なんかも人によってデザインを変えるべきなんですね。
これはどこで変えるかというと、鼻腔底隆起がどれぐらい高いのか低いのかによって人中の短縮の仕方は変わってくるんです。

山口憲昭

傷を隠す為に鼻の中に切りあがってっていう風なデザインをしてるところがあって、素人さん的には傷見えへんかったら鼻の中に上がっててもいいんじゃないの?

って、思うんですけど実はめっちゃ変な鼻になる人がいて、それは元々鼻腔底隆起が高い方はそれをやってしまうとノベっとした、唇からいきなり鼻の中に組織が入っていくみたいな変な鼻になってしまいますので、鼻腔底隆起が高い方の場合は鼻腔底隆起を置いておいてこっち側で切らないといけないってなってくるわけです。

山口憲昭

なのでちょっと専門的なお話になりますけども、鼻腔底隆起、神様が作ったものっていうのは再建をするのは極めて難しいと

山口憲昭

恐らくお困りの状態だと思いますので、一度診察に来て頂いて、触ってこう組織の余裕がどうなのって見ながら判断をしていくことになってきますので、この文字だけではなかなか難しいんですけども、まず知識として同じような過ちというか、同じような悩みにならないように、まだ人中の手術をしてない方は是非注意して頂いて、質問者さんに関しては頑張って診察の方に来て頂いて評価ということになります。

参考にしてください。


  • まとめはこちらをクリック

    人中短縮で鼻孔底隆起が消失してしまった件。

    人中短縮手術は非常に注意が必要な施術であると、こちらの記事でもなんどもお話ししているのですが、鼻の穴を下から見たときに鼻の穴の周りが膨らんでいる部分を鼻孔底隆起と呼ぶのですが、人中短縮の際に鼻腔底部全体を切除してしまうといったケースがあります。

    切除した部分を再建できるのか。というご質問をいただくのですが、人中短縮を行う際に唇の構造なども関わってくるのですが、切り取ってしまった組織の再建はほぼ不可能となります。

    唇の構造はとても複雑です。よくアートメイクでオーバーリップにするなどがあるのですが、正直やめておいた方が良い。と個人的には思います。

    鼻孔底隆起の再建というのは非常難しく、一度切除してしまうと全く同じ構造にするのは不可能なのです。

    何かを入れてそれらしく見せるということはできるのですが、やはり本来の鼻孔底隆起とは構造が違ってくるので、お顔は動きによって消える部分もあるので表情に違和感が出るかもしれません。

    なので、素人さん的には人中短縮は鼻の中に切り上げているので、面から傷が見えなくて良さげに思えるのですが、実は切り上げたことによって鼻の形、鼻翼の形が不自然になってしまうことがあります。

    元々鼻孔底隆起が高い人、低い人がいるので、人中短縮もマニュアル通りと行かず、鼻孔底隆起の高さによって切る位置や方法が変わるのです。

    なのでこの辺の組織の構造はとても繊細なので、人中短縮や口角挙上とか口唇の形成術など、手術をする時はかなり繊細に手術をしないといけないし、再建手術をする時は、一つ一つ構造を見ながら手術のデザイン等を決めていかないといけないんですね。

    切除してしまったものは外科医でも元に戻せないので、同じケースの方が増えないようにシェアさせていただきました。人中短縮は安易に手を出して良い手術ではありません。

    ですが、もうすでに手術をしてしまって、お困りの方もおられると思うので、お悩みがある方はぜひ1度修正専門医に相談してください。

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