眼瞼下垂術 BLEPHAOPLASTY
眼瞼下垂術後のかゆみの原因と止める方法を現役の美容外科医が徹底解説!!
「眼瞼下垂の手術をしてから、二重の線が痒くて仕方がありません。治りかけの傷の痒みだと思ってはいますが辛いです」という今回のご相談。
術後どれくらいの期間が経っているのかが書かれていないので、色々なケースを想定してお答えしていきますね。
傷の箇所がかゆいのは治ってきている証拠とよく言われますが、
かゆいものはかゆいですよね。
今回は二重整形の術後のかゆみと原因・対処法について記載致します。
目元の傷の修復について
はじめに、傷、とりわけ目元の傷というのは、最終的にはとても綺麗に治っていくことが多い箇所です。
目元というのは皮膚の厚さが薄い部位のため、身体の他の部分に比べても綺麗に治る箇所なのです。
ただしあくまで最終形は、というお話しです。
そこに至るまでにはいくつかのフェーズがあるので、一般的な経過をご紹介いたします。
一般的な術後の経過
一般的な二重整形の場合(全切開など)は
まず術後の2〜3週間は結構むくみが出ます。
この段階では、痛みの方を強く感じることが多いでしょう。
むくみが徐々にとれていく術後1ヶ月の頃になると、今度は真っ赤っかになってきます。
固く縮んでくるような感じですね。
この頃から、痛みは徐々にかゆみに変わっていきます。
ではこの「痛み」と「かゆみ」というのはそもそも何なのでしょうか?
痛みとかゆみは実は同じ要因から生まれる!?
「痛み」と「かゆみ」、実はこの二つは同じ神経に対する刺激で生じているのです。
知覚神経には色々な神経があるのですが、髄鞘の有無や太さ、伝導速度によりA・B・Cに分類されています。
知覚神経の種類
知覚神経の中でも大きく2つ、
- 有髄神経の1a線維
- 無髄神経のC線維
というものがあり、痛みを感じるのは有髄線維のA線維と無髄線維のC線維です。
A線維とは
A線維は神経が髄鞘という脂質性のビニール膜のようなもので保護されており、
絶縁体のような役割を果たすので、電気信号がこの髄鞘を飛び越えながら跳躍伝導する為、
さらにこれが他の髄鞘へ情報を飛ばす役目があるので、痛みの情報が早く伝わります。
なので鋭い痛みや、速い痛みを伝える役目なのです。
C線維とは
C線維は髄鞘を持たないため神経がむき出しの状態になっています。
C線維に強い刺激が加わった場合は「痛み」を感じ、弱い刺激が加わった場合は「かゆみ」を感じるというのがカラクリなのです。
刺激の程度の問題であって仕掛けや対策は同じなんですね。
要するに。痛みが治まって痒みが出てきた時期は、痛みの伝導が弱くなっているので治ってきていると考えて問題ないです。
かゆみへの対処法
「かゆい」ということは、神経がピリピリと少し刺激されている状態なのでそれが続くと辛いですよね。
この痒みをどうすれば対処できるのかというと、A線維の方が神経伝導速度が速いので、
痛みや痒みを感じている所に触覚として刺激を与えると緩和できるというわけです。
例えば蚊に刺されたとき、蚊の唾液で炎症反応を起こしかゆみを感じているわけですが、実際は痛みの神経に軽い刺激が加わったため、「かゆい」と知覚しているだけなのです。
かゆみの対策として、ムヒなどのように神経を麻痺させるものもありますが、実はもっと簡単で効果的な方法があるんです。
方法は簡単、「かゆみを感じるところを触ってあげる」だけなのです。
かゆみや痛みを感じるC線維よりも、1a線維に与えられた触覚の刺激の方が早く伝達されるから、というのが理由です。
触覚、触った感覚を重ねてあげると、かゆみや痛みの神経は刺激されにくくなるので、収まってきたように感じます。
これがお医者さんの中でいわれる、いわゆる「手当て」なのです。
患部に手を当てたり、さすったりするというのは、よく冗談でいうように”気を発している”わけではなく、
神経生理学的に痛みを感じている神経に触覚を乗せることによって、痛みを少し緩和させているという手法を取っているということ。
そして、この「手当て」はご質問者の方のケースでも有効といえるでしょう。
術後のかゆみにも「手当て」を!
傷が治ってくる過程で、痛みがかゆみに変わってきているというご質問者さま。
ここまでの説明に当てはめると、治癒により刺激が弱まってきている、つまり快方に向かっているサインなのだと思ってもらって差し支えないでしょう。
しかしながら、やはりかゆみも辛いものですよね。
そんな時には、手を当ててあげるというのも一つの選択肢となるでしょう。
もしくは乾燥により刺激を感じている可能性もあるので、保湿を行ったり、冷やすというのも有効かもしれません。
冷やすという行為自体が接触行為にもなりますし、冷えることにより神経の伝達が鈍くなり、かゆみが一時的に収まる可能性があります。
冷やし過ぎには要注意
あまり強く冷やしてしまうと、冷やし終えた後に血管が一気に広がり温度を上げようとしてしまうので、かゆさが再発してしまうからです。
ご質問者さまには「手当て」などの対処法を試していただきたいなと思っております。
ただし、もし術後とても時間が経過しているのにかゆみが無くならないということでしたら、
その場合には湿疹のように皮膚炎症を起こしている可能性なども考えられますので、
病院に行ってステロイドなどを処方してもらうことも検討してくださいね。
おまけに
今回ご紹介した「かゆみは触覚で覆い隠す」という対処法。
ご質問者さまは目の上という部位についてのご質問だったので少し難しいかもしれませんが、身体の広い部位、テープの貼れるような場所の場合、患部にテープを貼ってあげるだけでかゆみは少しマシになったりします。
個人的には、蚊に刺された時やかゆくなった時にはすぐに茶色いテープを貼っていて、それだけでかゆみは軽減されます。
騙されたと思って、一度試してみてください。
まとめ:信頼できる専門医に相談しましょう
術後のダウンタイムが終了しているのにも関わらず、ずっとかゆいなどの症状がある際には、
ご自身で判断するのではなく信頼している専門医に必ずご相談ください。
弊社リゾナスフェイスクリニック東京では、美容整形への専門知識と豊富な経験を持った医師が在籍しておりますので、ぜひ一度無料カウンセリングをお受けください。
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