脂肪吸引 liposuction
脂肪吸引でベイザーを使うと組織はどうなる?
「顔の脂肪吸引の時に使う器具によって、ダウンタイムや吸引後の状態は変わるのか?ベイザーが繊維を傷つけずに良いとも聞くが本当にそうなのか?」というご質問をいただています。
ありがとうございます。
ベイザーという言葉が出てますけども、要するに脂肪吸引をする時に、ベイザーって超音波みたいなやつですね。
脂肪を熱で解すようなやつなんですけども、これを使った方がいいのかどうかみたいな話になってますが。
なるべく傷をつけない方法は??
う〜んこれはですね、なんとも言えないという感じですね。
イメージしていただきますと、傷が治る時にはですね、実はあの、傷をめちゃめちゃ綺麗に、傷跡を修正をするという手術に、傷を綺麗に治そうと思った時には、傷はメスで切るんです。
今でも。メスでカットするから「COLD CUT」って言うんです。
冷たいカット。
一方ですね、電気メスで切るようなやつを「HOT CUT」って言うんですね。
物理的にCOLDは熱を使ってないからメスで切ってるって話なんですけど、HOTは電気メスだから熱が出ますよって話。
で、このHOTとCOLDはどっちが傷が綺麗に治るのかというと、これはもう明らかにCOLDの方が傷が綺麗に治ります。
メスで傷を切りとる方法
これはどういう事かと言いますと、科学が進んでいるこの今のこの世の中ですら、やっぱりその組織というものを見た時に、断面を見た時に、言ったら僕らの体っていうのは全て細胞っていう生きている小さな小さな粒で構成されている訳ですね。
その部分がフレッシュな状態で維持されていって、フレッシュとフレッシュが合った時には「切られてたん気付かへんけど」みたいな感じで治っていくっていう風なスタートから始まるんですけども、もしこの断面と断面がですね、フレッシュじゃなくてですね、もう焼け焦げてる状態になってると、合わせた時に再生をするスタートがなかなか入らないんです。
まずゴミみたいなん取らないといけなくなってくるんですね。
これ伝わるかな〜
イメージとしてはですね、大根を、なんか昔漫画とかでなかったですか?超神業の達人みたいな人が出てきて、刀で、日本刀のめちゃめちゃ切れる刀で大根をスパッと切るわけですよ。
で、パカッとなって、この切れた大根をシュッてやったら、大根がまた元に戻るという。
「細胞は切られた事も気付いていない」みたいな、そんなシーンありましたよね。
あれがCOLD。
一方、大根をバーナーとかでブゥォ〜ンとか言って焼いて、なんかもう焼けてるから端っこもうおでんみたいになっててくっつかへん!みたいな。
もちろん断面が棒とかで叩き割ってたらガサガサなってるからもう合わないですね、これはね。
これが怪我した時の傷が綺麗に治らない理由ですけど、あのイメージ。
大根のスパッと切って治すイメージが、傷の時にもあるんです。だからCOLDの方がやっぱり傷は綺麗なんですよ。
なので基本的には皮膚そのものを切開したらやっぱり今でもメスを使って切開した方が綺麗なんです。
で、ベイザーがどういったものなのかというと、実はこれ熱を出すんですよ、中で。結構熱くなるんですね。
ベイザーもそうだし、今色んなタイトニングの機械が出てますけど、中で熱を出す系のやつっていうのは、やってる事でいくと、中で火傷をおこしているというようなイメージを持ってもらったらいいと思います。
なので、火傷を使って組織を解すっていうのもそうだし、あと縮めるっていう効果を作ったりしてるのがこのタイトニングですね。
ベイザーの方は脂肪を取れやすくするように、超音波でみたいな話になってます。
治療後の症状は??
いずれも上手に使いますと、メリットだけを享受できるっていうことになるわけですけど、使い方を間違えるとむちゃくちゃ恐ろしい合併症が起きます。
要は中で火傷を起こしている訳ですから、強い火傷を起こしますと拘縮ですね、ギュッて縮んだりとか、ボコつきの原因になったりとかっていう風な事が起きます。
なので、飛び道具系ですね。
超音波とか熱が出ますとか、そういう風なHOT系の道具っていうのは、使う時にはかなり注意して使うべきだと思いますし、ダウンタイムが必ずしも短いかと言うとこれはそんな事はないですね。
先程のお話で言いますと、COLDの方がダウンタイムが短いんですよ。
ただ問題がですね、ダウンタイムに関係するのが傷そのものの断面だけじゃなくて中に血が溜まったかどうかっていうのも大事になってくるので、所謂血腫ですね。
血が溜まりやすいのはCOLDの方なんですよ。で、HOTの方が血が溜まりにくいんですよ。要は止血されるから。
だからここのバランスですね。
HOTとCOLDを上手に使い分けてっていうのが手術の中では基本になってく訳ですけども。
なのでご質問で言いますと、脂肪吸引の時にダウンタイムとか脂肪吸引後の状態はどんなのかって言うと、ベイザーが良さそうだよって事もあれば、使い方間違えたらエライ事なるよって事もあるので、あくまでもその技を使う先生の技量だったりとか、考え方に依存するというような、すっごいもあっとした答えになりました。
今回の見どころは大根を切った師範代の登場シーンでしたね。
という事で、そんな回答です。参考にしてください。
まとめ:脂肪吸引でベイザーを使うと組織はどうなるのか
ダウンタイムや吸引後の状態は変わるのでしょう、顔の脂肪吸引の時に使う機械によって?…が繊維を傷付けないので良いとも聞きますが本当のところは・・・?
脂肪吸引の器具でベイザー (VASER) という機械があります。
脂肪吸引という手術は「脂肪を細い 管で吸引する」という割と単純な原理なのですが、このベイザー(VASER) というのは特殊な超音波(VASER 波)というものを照射して脂肪を熱で溶かす。というような機械です。
これを使うと皮下脂肪の90%が取れるとか、脂肪細胞のみに作用すると言われており組織が傷 付きにくいという話も聞くのですが、正直なんとも言えない感じですね。
というのも、ベイザー(VASER) という機械は体内で熱を出すんですね。
それが結構熱い。
ベイザー(VASER) だけではなく、今は色々なタイトニング機械(痩身用の機械)が出ていますが、 中で熱を出す機械というのは、つまり火傷を起こしている。とも言えるわけです。
ベイザー(VASER) は脂肪を取りやすくするために特殊な超音波を使うという話になっていますが、上手に使えばメリットだけを受けることができますが、使い方を間違えたりするととても怖い合 併症が起きることがあります。
中で熱を出すということは、脂肪以外の組織に熱が加わり火傷を起こすこともあり得るのです。
強い火傷を起こしてしまうと拘縮と言って、一部分だけがギュッと縮んだり、ぼこつきの原因となってしまうことがあります。
なので熱を発する系の機械を使用する時はかなり注意して使うべきですし、医師の経験も必要と なります。さらにダウンタイムが短いかというと、必ずしもそうではないのですね。
イメージしていただきたいのは、傷を治す時です。
傷を綺麗に治そうとした時、傷跡修正の手術もそうですが、あえてメスで切るのです。
令和の時代になっても傷はメスで切るのです。
メスで切ることを「COLD CUT」というのですが。
一方でですね、電気メスで切ることを「HOT CUT」といいます。
COLD と HOT。
単純に COLD は熱を使っていないメス、HOTは電気メスなので熱が発生する。というだけですが、 この「COLD CUT」と「HOT CUT」はどちらが綺麗に傷が治るのかというと、圧倒的に「COLD CUT」なのです。
科学が進んでいるこの令和の時代でも圧倒的に。
身体というのは全て細胞でできている。
いわば、小さな小さな細胞という粒が集まって構成されているわけですが、その細胞の断面がスパッとフラットな状態であれば、傷が再生する過程もフラットになる。
この断面と断面がフラットではなく熱で拘縮している状態だと、断面がピタッと合わず傷が再生するスタートが遅れるのです。
おでんを作るときに生の大根を切りますよね。スパッと切った時は断面がフラットで瑞々しいか ら大根同士がピタッとくっつきますが、一度鍋に入れて火が通ると大根はクタクタになったり、はたまた煮込み過ぎたら崩れてしまったり、焦げてしまったり…。
そうなるともう大根同士の断面が合いません。
怪我をしたときも傷が綺麗に治らないというのは、断面同士がフラットではないから。
だから傷跡修正の手術でも再度メスでスパッと切る COLD CUTをするわけです。
さて、話が逸れてしまいましたが、この原理で言えば脂肪吸引も COLD の方がダウンタイムは短くなるはずです。
ただ問題はですね、脂肪吸引においてダウンタイムに関係するのが傷そのものの断面だけではないということ。
脂肪吸引は中で血が溜まったかどうかも非常に大事なので、実は血が溜まりやすい、いわゆる血腫ですね。
これが起きやすいのはCOLD の方なのだ。というのも頭に入れておかなければなりません。
逆に HOT はジュッと焼いて止血するので、血が溜まりにくいのです。
なので、このバランスですよね。
HOT と COLD を上手く使い分けできる。というのが全ての手術での基本になりますが、 脂肪吸引のダウンタイムに関して言えばベイザー(VASER) が良いということもあれば、使い方 を間違えると大変な合併症が起きることもあるので、やはりドクターの技量や経験値であったり、 考え方により選択肢が異なる。という少し曖昧なお話でした。