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韓国でヒアルロン酸を注入した後、睡眠不足が続いたことで自発性アレルギーが発症し顔がパンパンに腫れ上がった症例を松浦副院長が解説。ヒアルロン酸製剤は架橋に使われる化合物がアレルギーの原因になること、免疫の識別機能が睡眠不足で低下することがリスクを高める。また大量注入(10本以上)では製剤の種類が混在し、どこを溶かすべきかの判断が困難になる。当院では部位を見極めて溶かす注射と内服薬を組み合わせた治療で1週間以内に改善。1回の施術で5本以下が目安であることも説明する。
【監修】 松浦 顕 副院長(リゾナスフェイスクリニック東京)
【執筆】 美容医療専門ライター izu
本記事は、YouTube動画の内容をもとに内容の正確性を保ちつつ編集・構成し、医師の監修のもと公開しています。
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韓国で打ったヒアルロン酸が原因で顔がパンパンに

症例の経緯
今回ご紹介するのは、20代の女性の症例です。
秋に韓国でヒアルロン酸注入を受けました。施術直後は問題なく経過していました。しかし年末にかけて仕事が忙しくなり、眠れない日が続いたとのことです。
すると年越し直前から、顔がパンパンに腫れあがってきました。赤みも出てきたため、当院にご連絡いただきました。そして松浦副院長が診察を担当しました。
診断は「自発性アレルギー」
診断の結論から言うと、自発性のアレルギーでした。ヒアルロン酸製剤に対して免疫が過剰反応した状態です。施術から時間が経ってから発症することがあります。
なぜ時間差でアレルギーが出たのか。そのメカニズムを詳しく解説します。
ヒアルロン酸注入には、以下のようなリスクや副作用が生じる可能性があります。
・疼痛・赤み・腫れ・内出血(術後一定期間続く場合があります)
・違和感・左右差・仕上がりの個人差
・不自然さ・段差感・ボコつき・しこり・硬さ
・アレルギー反応・感染
・効果不足・過矯正
・チンダル現象(皮膚が青みがかって見える場合があります)
・まれに血管塞栓による皮膚壊死や失明などの重篤な合併症
詳細はカウンセリング時に医師よりご説明いたします。
ヒアルロン酸製剤でアレルギーが起きる理由

製剤の成分自体はアレルギーを起こさない
ヒアルロン酸という成分は、もともと体の中にあります。化粧水のぬめぬめ成分として知られています。また、膝や肘の関節液にも含まれています。
つまり、ヒアルロン酸は体を巡っている成分です。そのため、ヒアルロン酸の成分自体にはアレルギーは起きません。
ただし、純粋なヒアルロン酸は水分を保つだけです。顔をふっくらさせたり、鼻を高くしたりすることはできません。
アレルギーの原因は「架橋」に使われる化合物
注入用の製剤は、架橋(かきょう)という化学反応で作られています。ヒアルロン酸の分子同士を橋でつなぐように塊にする加工です。この加工によって、形を保つ製剤になります。
架橋を行うためには、ヒアルロン酸以外の化合物が必要です。また、保存料的な成分も含まれることがあります。実は、これらの添加物がアレルギーの原因になることがあります。
製薬会社もアレルギーを起こしにくいよう工夫しています。しかし、ゼロにはなりません。一方で、品質管理が不明な製剤ではさらにアレルギーリスクが高まります。そのため、信頼性の確認された製剤で施術を受けることが大切です。
なぜ時間差でアレルギーが出たのか

免疫には「識別する力」がある
免疫の働きは、攻撃するだけではありません。「相手が敵かどうか」を識別してから攻撃する、2段階の仕組みになっています。
松浦副院長はシューティングゲームにたとえています。「敵なら撃ってよいが、市民を撃つとポイントが減る」というルールに似ているそうです。健康なときは識別機能が正常に働いています。そのため、問題のない製剤を攻撃しません。
睡眠不足や疲労が識別機能を低下させる
しかし、睡眠不足や疲れが続くと変化が起きます。免疫が「落ちる」と言いますが、攻撃力だけでなく識別機能も低下します。攻撃しなくてよいものまで攻撃してしまうのです。
今回の患者様は、仕事が忙しく眠れない日が続いていました。そのタイミングで免疫の識別機能が落ちたと考えられます。結果として、製剤中の化合物に対するアレルギーが遅れて発症しました。
つまり、施術後すぐにアレルギーが出なかったとしても安心はできません。体調が崩れたタイミングで、時間差でのアレルギーが起こる可能性があります。体調管理は施術後も重要です。
大量注入が治療を複雑にする理由

実際には10本以上入っていた
この患者様は「2回くらい施術を受けた」とおっしゃっていました。しかし、スマートフォンで記録を確認してもらったところ、実際には約10本分のヒアルロン酸が入っていたことが判明しました。
10本も入ると、どこに何が入っているかが分からなくなります。カルテがあったとしても記録は曖昧になりがちです。10cc以上の注入では、部位ごとの詳細な記録を残しているクリニックは少ないためです。
製剤が混在すると「どこを溶かすか」の判断が難しい
ヒアルロン酸製剤は、部位によって硬さを使い分けます。たとえば顎先には硬い製剤、涙袋には柔らかい製剤が適しています。そのため、複数部位への施術では種類の異なる製剤が混在します。
アレルギーは通常、いずれか一方の製剤の化合物に対して起きます。両方に同時に反応している可能性はそれほど高くありません。つまり、どちらかの製剤だけを溶かせばよい可能性が高いのです。
しかし、顔中パンパンに腫れている状態では、どの製剤が原因かの特定が非常に困難です。大量注入は、トラブル時の対処を難しくします。
「大量注入ブーム」について松浦副院長の見解

近年、ヒアルロン酸を大量に注入する施術がSNSなどで見られるようになっています。韓国に限らず、国内でも広がりつつある傾向です。
当院でもヒアルロン酸は毎日のように使用しています。ヒアルロン酸注入は悪い治療ではありません。ただし、1回に大量に入れることには慎重な姿勢を当院は持っています。
ヒアルロン酸は「足し算」の治療です。体積を加えて膨らませます。そのため、エイジングで生じる「たるみ(皮膚の緩み)」に対しては、ボリューム補填だけでは対応しきれない側面があります。若返りには、ボリューム補填だけでなく皮膚のタイトニングも重要です。ヒアルロン酸だけにこだわる理由を、改めて考えてみることも大切かもしれません。
また、将来ヒアルロン酸から卒業したくなったとき、大量に入っていると溶かすのが非常に困難です。おでこのように広がりやすい部位では、入れた場所とは別の箇所に移動していることもあります。
部位ごとの適量の目安
少ない量で仕上げることが長期的にも有利

松浦副院長によると、いかに少ない量で変化を出せるかが腕の見せどころとのことです。少なく仕上げる方が持ちも良く、エイジングを重ねても長持ちしやすいとのことです。
部位別の目安量

当院での部位別の目安は以下のとおりです。
顎:多くの場合1本(1cc)程度が目安です。1.5〜2cc入れる場合は外科的な視点からの設計が必要で、そうしないと崩れやすくなります。
唇:通常は1本(1cc)で仕上げます。2ccは入れない方が良いと松浦副院長は述べています。
涙袋:両方合わせても0.3cc程度が目安です。0.5cc入れることはほぼありません。
チークなど:1本ずつが基本です。顔全体でも、1回の施術で5本を超えることは稀とのことです。10本・13本で仕上げるという施術はSNSでも見かけますが、当院の方針とは異なります。
また、「施術直後は問題なくても、時間が経つにつれて違和感を覚えるようになるケースも少なくない」と松浦副院長は指摘します。
そのような状況でヒアルロン酸から卒業して他のアプローチに切り替えたいと思っても、大量に入っている場合は溶解が非常に困難になります。最初から適切な量に抑えることが、長期的な満足度と将来の選択肢を守ることにつながります。
当院での治療アプローチ

全部溶かすのではなく「見極め」が重要
今回の症例では、全部を溶かしに行くアプローチは取りませんでした。まず「悪さをしていそうな部位」を見極めることから始めました。その部位を優先的に溶かす注射を行いました。
また、体調不良によって免疫が過剰反応している状態だったため、飲み薬によるアレルギーの内科的なアプローチも並行して行いました。
治療の結果
治療翌日から腫れが著しく改善しました。1週間後の経過観察では、腫れはほぼ治まっていました。見極めと溶かす処置、そして内服薬の組み合わせが奏功したケースです。※個人差があります。
ヒアルロン酸|よくある質問

Q1. ヒアルロン酸注入でアレルギーが起きるのはなぜですか?
ヒアルロン酸の成分自体は体内に存在するため、アレルギーの原因になりません。しかし製剤化の際に使われる架橋用の化合物や保存料的な成分に対してアレルギーが起きることがあります。また、睡眠不足や体調不良で免疫の識別機能が低下すると、本来攻撃しなくてよいものを攻撃してしまい、遅れてアレルギーが発症することがあります。個人差があります。
Q2. 施術直後は問題なかったのに、なぜ時間が経ってから腫れたのですか?
施術直後は免疫が正常に機能していても、その後に睡眠不足や過労が続くと免疫の識別機能が低下します。その結果、製剤の化合物を「敵」と判断して攻撃し始め、時間が経ってからアレルギーとして腫れや赤みが現れることがあります。個人差があります。
Q3. ヒアルロン酸を大量に入れるとどんなリスクがありますか?
大量に入れると、どの部位にどの製剤が入っているかの管理が難しくなります。アレルギーが起きたとき、原因となっている製剤の特定と適切な処置が非常に困難になります。また、おでこなど広がりやすい部位では注入箇所以外にヒアルロン酸が移動することもあります。将来溶かしたい場合も、大量に入っていると非常に溶かしにくくなります。
Q4. ヒアルロン酸注入の適量はどのくらいですか?
部位によって異なりますが、当院では1回の施術で5本を超えることは稀です。顎は1本(1cc)程度、唇は通常1本、涙袋は両方合わせても0.3cc程度が目安です。少ない量で変化を出すことが仕上がりの質を高め、長期的にも良好な結果につながります。個人差があります。
Q5. ヒアルロン酸アレルギーが起きたらどのような治療をしますか?
原因となっている部位を見極め、その部位を優先的に溶かす注射を行います。全部を一度に溶かすアプローチではなく、問題箇所の特定が重要です。また、アレルギーの状態に対する内服薬(飲み薬)による内科的なアプローチも並行して行います。今回の症例では治療翌日から著しく改善し、1週間後には腫れがほぼ治まりました。個人差があります。
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